このイベントは農林水産省主催の「食の絆サミット2013」内の一企画として開催され、全国8ブロックから選抜された大学生が「日本酒と肴」についてプレゼンテーションを行い、その中で紹介・提案する日本酒と肴を試飲&試食するというもの。しかも、その中から来場者の投票によりグランプリを決めるというのだ。
今回はその中から北陸・甲信越ブロック代表として参加されていた新潟大学日本酒サークル「雪見酒」の代表:渡辺信之さんにインタヴューを試みた。
-----まず新潟大学日本酒サークル「雪見酒」を立ち上げた経緯を教えてください。
渡辺信之さん(以下、渡辺) もともとは現代表代行の井上が、「日本酒離れ」を解消するために学生のうちから「いい日本酒をのんでもらいたい、知ってもらいたい」という思いから立ち上げました。新潟県だけでも約100近くの酒蔵があり、その全てを1人で味わうというのは現実的に難しいですし、日本酒は四合瓶が最低容量であることがほとんどですからなかなか飲み比べというのも難しいです。ですので、そういった仲間たちと日本酒を味わう場があればというのがひとつ。あとは新潟のお酒を全国にPRしたいという思いもあり、昨年2012年の3月に結成に至りました。
-----実際にサークルとして活動してみていかがですか?
渡辺 想像と違ったというか、意外だったのが学生のみんなも日本酒に興味があったという事です。居酒屋のチェーン店に行くと日本酒は銘柄もなく「冷酒・燗酒」とだけ書いてあることがほとんどですから、純米酒をはじめとした特定名称酒を飲んでみたいという方は多いように思いました。日本酒を知りたい、ちゃんと飲んでみたいという潜在意識があったのではないかと思います。サークルで定期的に行う試飲会についてはサークル外の方も見学という形で参加できるように設定しており、様々な方に参加頂いております。
-----今回の「サケ × アテ グランプリ2013」に参加する事になったきっかけというのは?
渡辺 事務局の方からサークルのメールアドレスにご案内をいただきまして、イベントの主旨と問うサークルのやりたいこと・やろうとしていることがマッチしていると思い参加を決めました。都内での開催という事もあり、新潟のお酒をPRする絶好の場であると思いました。
-----今回、「鶴齢 純米酒」と「鮭の酒びたし」をご紹介されていましたが、数ある新潟県の日本酒の中から青木酒造さんの「鶴齢」を選んだ理由は何ですか?
渡辺 新潟県というと「淡麗辛口」のお酒をイメージする方が多いですし、実際に「淡麗辛口」のお酒が多いですが、今回は新潟の新しいイメージとして「淡麗旨口」という米本来の旨みを引きだした日本酒を出したいと思い「鶴齢」を選びました。
-----最後に、今後の活動の目標を教えてください。
渡辺 新潟県には96蔵の日本酒蔵があります。まずは、その全てをホームページで紹介したいと考えております。今はまだ半分もできておりませんが・・・今はネット通販で全国から様々なお酒が買えるようになりましたが、県内でしか飲まれていない(知られていない)お酒もあります。それらを当サークルでPRしていきたい、これは目標というか「やらなければいけないこと」だと思っております。
代表の渡辺信之さんと代表代行(初代代表)の井上貴展さん。提供していた鮭の酒びたし:塩引鮭をさらに半年間陰干ししたもの、これを日本酒(今回は鶴齢)で浸す。
「鶴齢 純米酒」は米の甘み・旨みを感じる酒であった。程よい酸味が後味をスッキリとさせる。
お酒を楽しみながら「鮭の酒びたし」を食す。塩気が絶妙であり、日本酒に含まれていない塩味が補填される。
お酒を飲む人間にはたまらない組み合わせだろう。
(取材・文=NSG)
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