SAKEBI 美しい酒と若者の叫び

2014年01月号

寒波緊急対策!燗酒を飲もう

2014年01月12日 20:16 by NextSakeGeneration

 本格的に寒いシーズンの到来。我々人間にはなんとも辛い季節であるが、日本酒造りにはもってこいであり、この季節のおかげで美味しい酒が出来上がると言っても過言ではない。仕事帰り、芯まで冷えきった体にジョッキまで凍らせたキンキンのビールは流石にちょっと。やはりこの季節は一杯目から燗酒で身も心も暖めたいところである。燗酒は奥が深い。今回は”燗”ついてよくわからないという人や今さら人に聞けないという方の為にも日本酒の”燗”についていろいろ紹介しよう。

燗酒にすべく酒とは?

 日本酒の飲み方にルールはないが、その酒質により適した温度がある。燗をつける酒言えば、普通酒・本醸造・純米酒が一般的であり、生酒や吟醸酒など繊細な香りを特徴とする酒はあまり燗に向いていないと言われている。そのため「大吟醸を燗にするなんてもったいない!」という人もいるが、酒の飲み方は個人の自由なのでなんとも言いがたい。メーカーが燗酒用とうたった日本酒もあるが、やはり自分好みの銘柄を見つけておくことが大切である。

酒器の選定

 盃(さかづき)、猪口(ちょこ)、銚釐(ちょうし)、徳利(とっくり)、そのまま瓶、そのままカップ、そのままパックetc...。基本的に自由だが、錫製(すずせい)の銚釐などは保温性が高く温度が下がりにくい特徴を持つのでゆっくり燗酒を嗜みたい人にはオススメである。燗付けの方法によっては適さないものがあるので、後ほど紹介する燗付け方法に合った酒器を選ぼう。

目標温度の設定 

 日本酒が決まればやはりラベルや蔵元・酒販店のホームページから情報収集するのが一番手っ取り早いが、自分が思う最適な温度を探しながら燗をつければ間違いないだろう。

30℃ 日向燗(ひなたかん)
35℃ 人肌燗(ひとはだかん)
40℃ ぬる燗(ぬるかん)
45℃ 上燗(じょうかん)
50℃ 熱燗(あつかん)
55℃ 飛び切り燗(とびきりかん)

 燗酒も温度帯により色々な呼び名がある。飲食店での注文時などにおいて便利な言葉だが、覚えるのが面倒な人や通ぶってると思われたくない人は温度を直接数字で言えば良い(±3℃くらいの誤差は多目にみよう)。もしあなたが”次世代の酒飲み”であるなら「神亀、forty fiveで!」などとちょっと変わった注文方法も面白いかもしれないが”通ぶっている人”よりもイタいのは目に見えている。

燗付け方法

ここでは家庭で簡単にできる燗付けの方法を紹介する。時と場合によって使い分けるのがスマートだ。

・マイクロウェーブで酒の分子を擦れ! 電子レンジ

 邪道だと思われるこの方法であるが、最も手軽に燗付けできる方法だ。まず電子レンジでもっとも注意しなければならないことは、電子レンジに入る酒器を選ぶことである。そして自宅の電子レンジ、酒器の大きさ、酒の量などを考慮してワット数や時間の設定を微調整していこう。何度も繰り返すことであなたにぴったりな条件が見つかるだろう。香りを飛びにくくするために、酒器の口にラップをするなど一手間かけるのも”次世代の酒飲み”として大切なことである。電子レンジは温度にムラが出やすいという欠点もあるが、ムラが少ない電子レンジによる燗に適した徳利も存在している。

・いにしえより続く燗付けの王道 湯煎

 鍋などに水を張って湯煎する方法。鍋の大きさによっては徳利からそのまま一升瓶まで燗を付けることができる。温度計を差し込んでおくことで、温度コントロールがしやすい。時間がかかるという欠点もあるが、温度の上昇を楽しむ余裕を持って燗を付けよう。

・大勢ですぐに飲みたい時の裏技!? ヤカンで直火

 ヤカンに酒をいれそのまま火にかける、最も大量かつ迅速に燗を付けるのがこの方法だろう。火にかけたヤカンを時々回しながら持ち上げ、底に手を当てて温度をみる。温度コントロールが少し難しく、また直接的に温めるため、多少なりとも酒質劣化のリスクがあることは否めない。しかし慣れてしまえば一度大勢に燗酒を振る舞え、人気者になること間違いなしだ。筆者が訪れたことのある某酒蔵では毎晩夕食時に、一番若手の蔵人が燗付け番をする。一度に十名分もの燗を付けなければならない為この方法が採用されているのだろう。

燗酒の奥の深さに迫る

 さて”燗”について一通りご理解いただけただろうか。しかし”燗”はまだまだ奥が深い。例えば燗付け方法による味の違いがある。一説によると電子レンジでの燗付けは酒を分子単位で温めるため湯煎よりも味がマイルドに仕上がると言われている。

 また飲み方のテクニックを紹介しよう。まずは一度温めた酒を冷まして飲む「燗冷まし」。「燗冷まし」は味わいのバランスを崩れて(燗崩れして)いないか確認したり、冷や酒や燗酒との味わいの差を楽しむ方法だ。次に「割り水燗」。元鑑定官の故上原浩先生も純米酒に割り水をかけて、ぬる燗にして飲む「割り水燗」を実践されていた。この方法は口当たりが軟らかくなり、ふんわりとした旨味が広がり、酒にあう料理の幅もうんと広がるという。最後に「酒のブレンド」。燗に合う究極の酒を求め自分で日本酒のブレンドを行うというもの。熟成したものと酸味の強いものを合わせるなど組み合わせは無限大。酒をもっと自由に楽しみたいという方に是非オススメである。以上紹介したこれらのテクニックも是非試していただきたい。


 筆者は”次世代の酒飲み”らしく新しい燗付け方法を日々試行錯誤している。まだまだ未完成なので方法が確立次第、順次公開していこうと思う。

(写真・文章=NSG編集部)

 

関連記事

身の回りの小さな変化

2014年02月号

コラム 次世代の酒飲みは通信費を抑えて酒代を捻出する

2013年12月号

コラム 何の日?

2013年11月号

読者コメント

コメントはまだありません。記者に感想や質問を送ってみましょう。

バックナンバー(もっと見る)

2014年02月号

・蔵人日記 第一話「仕込み」 ・連載 ありゃまくんの叫び ・連載 OXON...

2013年12月号

サケ×アテグランプリ2013 新潟大学日本酒サークル「雪見酒」 イヴェント...

2013年11月号

潜入 厳夜祭 神戸大学日本酒サークル正宗会 連載 OXONの今日もどこかで...