この春無事に大学2年への進級し、同時期に20歳を迎えた中村君。念願の飲酒が遂に解禁となった。サークルの飲み会では乾杯のビールに始まり、サワーやカクテルを嗜んでいる彼だったが、ここ最近日本酒が飲みたいという欲望が芽生えはじめていた。早速友人3名と居酒屋に行った彼だったが、果たして華やかな”日本酒デビュー”をすることができたのだろうか。
メニューを開いて目の前が真っ白!?
中村敏也君(以下中村) 飲み物のメニューを開いて驚きました。日本酒って色々な種類があるんですね、どれを飲んで良いかわからなくて目の前が真っ白になりましたよ(笑)サークルの飲み会は基本飲み放題なので、メニューには日本酒しか書かれていなかったのですが、それぞれに名前(銘柄)がついているんですね。
ーーちょっと前にあった地酒ブームの影響か最近はどの居酒屋に行っても数種類~数十種類の日本酒が置いてあります。中には一般消費者に流通しいない商品などもあり、飲食店でしか飲むことができないものもありますよ。
中村 そうなんですね。日本酒の銘柄の横に”純米”とか”吟醸”と書かれていたんですけど、あれはどういう意味ですか?
ーーそれらは特定名称酒と呼ばれるもので一定の基準をクリアした酒につけることのできる名称です。例えば麹歩合15%以上、使用する米が3等以上、原料に米、米こうじ、水のみを使って造った清酒を”純米酒”と呼ぶことができます。特定名称酒以外にも”生酒””生一本””原酒””山廃”など造り方などの違いで、呼ぶことのできるものもあります。それぞれをどのような条件で呼ぶことができるのかはご自身で勉強なさってください。補足ですが、複数の条件に当てはまる場合もありますので、極端ですが”純米””吟醸””山廃””原酒””生酒”と複数同時につけられる清酒も理論上可能です。
中村 なるほど~??ちょっと頭が混乱してますが・・・日本酒は奥が深いということがわかりました。これから色々勉強したいと思います(笑)!
ーーところで多くの種類の中から、中村君が選んだ日本酒はどれだったんですか?
中村 じ、実は・・・日本酒注文しなかったんです(汗)。
日本酒が注文しづらい
ーーえっ!?日本酒を飲みに行ったのに、結局飲まなかったんですか?
中村 ええ、先ほども言いましたように種類が多すぎて選べなかったという理由もあるのですが、もう一つ大きな理由がありまして・・・
ーーその理由とは?
中村 一緒に飲みにいった友人たちが400~500円のビールやカクテルを注文している中、一人だけ600~800円の日本酒注文しづらくて。もちろんもうちょっと安い日本酒もメニューにあったのですが、注文して美味しくなかったらどうしようと思い結局、飲んだことのあるカクテルを注文しました。
ーー確かに日本酒のことを全く知らないわけですからね。安くて美味しい日本酒を知っていれば堂々と注文して、友達に勧めることもできたかもしれませんね。やはりまずはお気に入りの銘柄を探すことから始めたほうがいいですね。
中村 はい、でもどうやって日本酒を探せば良いでしょうか?
ーー多く種類の日本酒を飲むには量販店で購入したり飲食店で注文するには体力的にも金銭的にも厳しいと思います。日本全国各地で日本酒のイベントが開催されていますので、そういったところに出向いて多くの日本酒を試飲(きき酒)するのが良いと思います。例えば毎年6月に池袋で開催される日本酒造組合主催の「日本酒フェア」では全国の酒造組合、有志グループや協賛出展団体が試飲・販売を行いますので、相当数の日本酒を一度に試飲(きき酒)することができます。※日本酒フェアの入場にはチケット(前売り3500円当日4000円)が必要です。
中村 そんなイベントがあるんですね!是非参加して自分の好みの日本酒を探したいと思います。いつかは友達にも美味しい日本酒を勧められるようになりたいと思います。
インタビュー終了後、笑顔で去っていった中村君。彼は今まさに日本酒道のスタートラインに立とうとしている。彼が日本酒の魅力に取り憑かれる日は来るのだろうか、これからも彼の動向が見逃せない。
(取材・文=NextSakeGeneration編集部)
参考リンク
日本酒フェア2013 http://www.japansake.or.jp/sake/fair/
日本酒・地酒のイベント情報「日本酒カレンダー」http://nihonshucalendar.com
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