「和醸良麺 すがり」とは京都で大人気のラーメン店「京都 麺屋 高倉二条」の系列店である。ところで、「和醸良麺」について、どこかで聞いたことのある言葉だと思ったら「和醸良酒」という熟語を思い出した。和醸良酒とは下記の二つの意味をもつ熟語である。
「和は良酒を醸す」・・・良いお酒は、酒に携わる人たちによって生まれる
「良酒は和を醸す」・・・良いお酒は、人と人との関係を良くする
おそらく「和醸良麺」とは「和醸良酒」の”酒”を”麺”に置き換えた言葉なのだろう。
和醸良麺すがり 外観
外観もさることながら、店内の雰囲気はまるでラーメン屋とは思えないほど落ち着いている。通りがかりの人にとっては、町家を改装したBARと勘違する人も少なくないだろう。
麺は”全粒粉”と”ゆず”の二種類から選ぶことができる。”全粒粉麺”はそばに似た食感があり、少しざらついた表面につけ汁がよく絡む。”ゆず麺”は全粒粉麺に比べ少し太くツルツルもちもちしている。爽やかなゆずの風味が心地よい。つけ汁はしっかりとした味付けで、麺を半分くぐらせる程度が最も調和が良いと筆者は感じた。もつつけ麺には”炙られたもつ”が入っており、もつの甘味・旨味に加え食欲をそそる香味が加わっている。とにかく”つけ汁・麺”だけでなく、飾られた糸トウガラシ、ネギなどすべてがラーメンとは思えないほど上品だ。ラーメン屋で見かけることの少ない女性客が多いのはそのせかもしれない。
もつつけ麺(全粒粉麺)
つけ麺(ゆず麺)
人生における”食事”の回数には限りがある。限られた食事の中で私たちは何度、和を醸すことができるだろうか。ましてや、”ラーメン屋”で和を醸すことなどあるのだろうか。ここまで落ち着いた店内でゆっくりと味わいながら食べられるラーメン屋は少ない。ここであなたも和を醸してはいかがだろうか。
それにしてもこの「和醸良◯」という言葉、様々な場面に利用できそうだ。
(写真・文=NSG)
参考サイト
(和醸良酒の意味)朝酒.net
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